2014年 07月 14日
プラスチックの特性(アウトガス) |
こんにちは!
最近お問い合わせがあった事で少々被る内容がありまして今後の回答の為に一度文章にしておきたいと思います。
弊社ではフィルムを樹脂板にラミネート加工しております。
樹脂板と言っても沢山種類があります。
また、フィルムも世の中には沢山種類があります。
条件が揃えばフィルムや樹脂板を支給いただいた受託加工も受け付けております。
そんな中で寄せられたお問い合わせで多いのが「ガラス窓、ウィンドウ用のフィルムを樹脂板にラミネート加工できませんか?」とゆうものです。
これに対するお答えって結構難しく一つではないんですね~。
「可能なものもあれば、未確認ゆえに経時でどんな変化が起きるかわからないものもあります。」
こんなあいまいな返事になります。
まず使用するフィルムの粘着剤がどんなものか。
そして基材の樹脂板の種類。
その前にまず樹脂板の違いによる特性、特に標題にもしるしているアウトガスについて説明します。
弊社が扱うのは汎用プラスチック、一部PC(ポリカーボネイト)などのエンプラ(エンジニアプラスチック)も使います。
樹脂板の製造工程自体に詳しくはありませんが、一般的にアウトガスの原因で一番多いのは水分だと聞いた事があります。
これは吸水性の高い樹脂、特にアクリルやPC(ポリカーボネイト)に多いと聞きます。
成型の際に含有した水分、通常これを乾燥炉で乾燥させ水分を飛ばします。
しかし製造ラインの室温等の管理やラインの混み具合によってこの乾燥工程が甘くなる場合があります。
厄介な事に生産ロットによってばらつく事もあるようで...。
水分が完全に蒸発しない板、これにフィルムをラミネートするとどうなるでしょうか?
ラミネートしたあとに板に含有している水分が経時で蒸発すると...。
最悪ラミネート時には存在しなかった気泡が発生したりするんです。
また、弊社の扱う素材の中でHIPS(ハインパクトポリスチレン)とゆうものがあります。
この材料は吸水性がほとんどないにも関わらずアウトガスを出します。
ですから基材として使う樹脂の選定は実は一番大切だったりします。
メーカーさんは認めておりませんが、PET樹脂にもアウトガスの現象を過去に経験しております。
板の厚みによって差があるようです。
0.5㎜~1.0㎜厚あたりでは発生は0ですが2.0㎜や3.0㎜で実際にアウトガスの影響で経時変化での気泡現象のクレームを受けた事があります。
そこで次に大切なのはフィルム側のスペックです。
まずフィルム自体、弊社の扱っているフィルムのほとんどはPETフィルム主体です。
ノンコートのPETフィルムは微量ながら空気を通します。
ノンコートフィルムでしたらアウトガスで気泡にはなりにくいかもしれません。
しかし弊社の主力はミラーフィルムです。
ミラーフィルムは以前にも書きましたがアルミを真空蒸着して作ります。
この真空蒸着、実はミラーのような鏡面をつくるだけではありません。
ポテトチップスの袋やレトルトカレーの袋などの中身って銀色じゃありませんか?
これはミラーと同じくアルミを真空蒸着しているんです。
真空蒸着すると通気性は一切なくなります。
この蒸着したPETフィルムでアウトガスへの対策を一切行わないと一発でアウトガスの影響を食らっちゃいます。
ほかにも表面にハードコートなどの処理をした場合にも通気性が失われる事があり、同様のリスクが高まります。
そこで最終的にこのガス問題を解決できうるのは板とフィルムをくっつける粘着層になってくるんです。
弊社では過去、経験不足からこのアウトガスにはかなり悩まされておりました。
そこで粘着剤塗工してもらっているメーカーに依頼し、樹脂板由来のアウトガスに対応する粘着剤を開発して頂き弊社の手配するフィルムに塗工していただいております。
それでは実際にアウトガスがいかに恐ろしいか過去の試験体の写真をUPしておきます。

これはアルミ蒸着をしたPETフィルムを通常粘着のままHIPS板にラミネートし、乾燥炉にいれてテストしたものです。
加熱、乾燥を促す事によってアウトガスを強制的に引き起こしているので気泡、ガス浮きどころの現象ではない様子がうかがえるかと思います。
実際にここまでひどいアウトガスによる影響は「トンネル現象」とも呼ばれ、気泡が連続して連なって空気が外へ外へと逃げる道(トンネル)になっています。
実際に加工した製品からも確認され、回収・ロットアウトとなった手痛い経験をしております。
もう少し寄って分りやすい写真をUPします。

板の端へ向かってトンネルが出来てるのがご覧いただけるでしょうか?
この写真を見るとかなりショッキングです。
まぁご安心下さい、現在では前出の塗工メーカー様の技術協力によりアウトガス対策は完璧です。
アウトガスが多いとされるHIPS、PC、アクリルにも完璧に対応して実績もどんどん積んでおります。
話しを冒頭に戻すとフィルムや樹脂板の支給による受託加工で怖いのはこの点なんです。
ガラス、ウィンドウに貼るフィルムには粘着層にアウトガス対策されているものはほとんどないんです。
ガラスとゆう素材はガスを出さないので。
フィルムの業界にはガラス、ウィンドウ用のフィルムは数多く多彩なラインナップがあります。
ディスプレイの装飾にも使えそうな魅力的なラインナップが数限りなくあり使いたくなる気持ちも無理有りません。
しかし、このあたりの知識が無く樹脂板に加工してしまうと強烈なしっぺ返しを食らっちゃいます。
どことは具体的な例は控えますが、街中でそんな残念な例を見かける事があります。
ここからはあくまで僕の推察ですが...。
とある施設の屋根付歩道橋、見晴しを良くするために天井や窓を一部透明に。
割れない安全面と耐熱・耐候性を考慮して素材はPC(ポリカーボネイト)であるかと推察。
竣工後、おそらく日当たりが良すぎてビニールハウスのように熱くなりすぎたのであろうか、後施工で熱線カット系のウィンドウフィルムを施工した模様。
ここでまた一つ豆知識。
ガラスやウィンドウフィルムは工場での機械加工ではドライな環境で貼りますが、現場施工では大体が水を使います。
施工液と呼ばれるものと水を使って手貼りでも気泡を残さずフィルムを貼る方法があります。
これを水貼りと言います。
しかしこれはガラスだけの特別な方法です。
これをPCなどの吸水性のある樹脂板に行うと...。
例え板の成型の際に乾燥が完璧でも...、これまで書いてきたようなアウトガスが発生し熱線カット系の処理もアルミ蒸着が一般的なので、まず間違いなく典型的なアウトガスによるフィルムの部分浮き、気泡が見受けられました。
せっかく外観や美観、歩道橋とゆう高さから見晴を良くするために透明素材で天井と壁を囲ったのにところどころフィルムの浮き、気泡、トンネル現象が見受けられ残念な外観の通路と化してました。
こんな残念な例、実はけっこうよく見かけます。(さすがに最近はアウトガスの危険性は浸透してますので一昔前の施設がほとんどですが。)
施工業者様も最近ではこの知識をつけられてますし、フィルムメーカーの方もカタログ等の資料上では「ガラス以外への使用を禁ずる。」等の記載はされてます。
PETやPVCの薄物には加工できるので、ヒアリングをしっかりして受託加工にも対応できるように心がけております。
割としっかり書き込んだので今後同様の質問があればこの記事をお見せして対応しようっと♪
本日もお付き合いいただき有難うございました。(。_。)ペコッ
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最近お問い合わせがあった事で少々被る内容がありまして今後の回答の為に一度文章にしておきたいと思います。
弊社ではフィルムを樹脂板にラミネート加工しております。
樹脂板と言っても沢山種類があります。
また、フィルムも世の中には沢山種類があります。
条件が揃えばフィルムや樹脂板を支給いただいた受託加工も受け付けております。
そんな中で寄せられたお問い合わせで多いのが「ガラス窓、ウィンドウ用のフィルムを樹脂板にラミネート加工できませんか?」とゆうものです。
これに対するお答えって結構難しく一つではないんですね~。
「可能なものもあれば、未確認ゆえに経時でどんな変化が起きるかわからないものもあります。」
こんなあいまいな返事になります。
まず使用するフィルムの粘着剤がどんなものか。
そして基材の樹脂板の種類。
その前にまず樹脂板の違いによる特性、特に標題にもしるしているアウトガスについて説明します。
弊社が扱うのは汎用プラスチック、一部PC(ポリカーボネイト)などのエンプラ(エンジニアプラスチック)も使います。
樹脂板の製造工程自体に詳しくはありませんが、一般的にアウトガスの原因で一番多いのは水分だと聞いた事があります。
これは吸水性の高い樹脂、特にアクリルやPC(ポリカーボネイト)に多いと聞きます。
成型の際に含有した水分、通常これを乾燥炉で乾燥させ水分を飛ばします。
しかし製造ラインの室温等の管理やラインの混み具合によってこの乾燥工程が甘くなる場合があります。
厄介な事に生産ロットによってばらつく事もあるようで...。
水分が完全に蒸発しない板、これにフィルムをラミネートするとどうなるでしょうか?
ラミネートしたあとに板に含有している水分が経時で蒸発すると...。
最悪ラミネート時には存在しなかった気泡が発生したりするんです。
また、弊社の扱う素材の中でHIPS(ハインパクトポリスチレン)とゆうものがあります。
この材料は吸水性がほとんどないにも関わらずアウトガスを出します。
ですから基材として使う樹脂の選定は実は一番大切だったりします。
メーカーさんは認めておりませんが、PET樹脂にもアウトガスの現象を過去に経験しております。
板の厚みによって差があるようです。
0.5㎜~1.0㎜厚あたりでは発生は0ですが2.0㎜や3.0㎜で実際にアウトガスの影響で経時変化での気泡現象のクレームを受けた事があります。
そこで次に大切なのはフィルム側のスペックです。
まずフィルム自体、弊社の扱っているフィルムのほとんどはPETフィルム主体です。
ノンコートのPETフィルムは微量ながら空気を通します。
ノンコートフィルムでしたらアウトガスで気泡にはなりにくいかもしれません。
しかし弊社の主力はミラーフィルムです。
ミラーフィルムは以前にも書きましたがアルミを真空蒸着して作ります。
この真空蒸着、実はミラーのような鏡面をつくるだけではありません。
ポテトチップスの袋やレトルトカレーの袋などの中身って銀色じゃありませんか?
これはミラーと同じくアルミを真空蒸着しているんです。
真空蒸着すると通気性は一切なくなります。
この蒸着したPETフィルムでアウトガスへの対策を一切行わないと一発でアウトガスの影響を食らっちゃいます。
ほかにも表面にハードコートなどの処理をした場合にも通気性が失われる事があり、同様のリスクが高まります。
そこで最終的にこのガス問題を解決できうるのは板とフィルムをくっつける粘着層になってくるんです。
弊社では過去、経験不足からこのアウトガスにはかなり悩まされておりました。
そこで粘着剤塗工してもらっているメーカーに依頼し、樹脂板由来のアウトガスに対応する粘着剤を開発して頂き弊社の手配するフィルムに塗工していただいております。
それでは実際にアウトガスがいかに恐ろしいか過去の試験体の写真をUPしておきます。

これはアルミ蒸着をしたPETフィルムを通常粘着のままHIPS板にラミネートし、乾燥炉にいれてテストしたものです。
加熱、乾燥を促す事によってアウトガスを強制的に引き起こしているので気泡、ガス浮きどころの現象ではない様子がうかがえるかと思います。
実際にここまでひどいアウトガスによる影響は「トンネル現象」とも呼ばれ、気泡が連続して連なって空気が外へ外へと逃げる道(トンネル)になっています。
実際に加工した製品からも確認され、回収・ロットアウトとなった手痛い経験をしております。
もう少し寄って分りやすい写真をUPします。

板の端へ向かってトンネルが出来てるのがご覧いただけるでしょうか?
この写真を見るとかなりショッキングです。
まぁご安心下さい、現在では前出の塗工メーカー様の技術協力によりアウトガス対策は完璧です。
アウトガスが多いとされるHIPS、PC、アクリルにも完璧に対応して実績もどんどん積んでおります。
話しを冒頭に戻すとフィルムや樹脂板の支給による受託加工で怖いのはこの点なんです。
ガラス、ウィンドウに貼るフィルムには粘着層にアウトガス対策されているものはほとんどないんです。
ガラスとゆう素材はガスを出さないので。
フィルムの業界にはガラス、ウィンドウ用のフィルムは数多く多彩なラインナップがあります。
ディスプレイの装飾にも使えそうな魅力的なラインナップが数限りなくあり使いたくなる気持ちも無理有りません。
しかし、このあたりの知識が無く樹脂板に加工してしまうと強烈なしっぺ返しを食らっちゃいます。
どことは具体的な例は控えますが、街中でそんな残念な例を見かける事があります。
ここからはあくまで僕の推察ですが...。
とある施設の屋根付歩道橋、見晴しを良くするために天井や窓を一部透明に。
割れない安全面と耐熱・耐候性を考慮して素材はPC(ポリカーボネイト)であるかと推察。
竣工後、おそらく日当たりが良すぎてビニールハウスのように熱くなりすぎたのであろうか、後施工で熱線カット系のウィンドウフィルムを施工した模様。
ここでまた一つ豆知識。
ガラスやウィンドウフィルムは工場での機械加工ではドライな環境で貼りますが、現場施工では大体が水を使います。
施工液と呼ばれるものと水を使って手貼りでも気泡を残さずフィルムを貼る方法があります。
これを水貼りと言います。
しかしこれはガラスだけの特別な方法です。
これをPCなどの吸水性のある樹脂板に行うと...。
例え板の成型の際に乾燥が完璧でも...、これまで書いてきたようなアウトガスが発生し熱線カット系の処理もアルミ蒸着が一般的なので、まず間違いなく典型的なアウトガスによるフィルムの部分浮き、気泡が見受けられました。
せっかく外観や美観、歩道橋とゆう高さから見晴を良くするために透明素材で天井と壁を囲ったのにところどころフィルムの浮き、気泡、トンネル現象が見受けられ残念な外観の通路と化してました。
こんな残念な例、実はけっこうよく見かけます。(さすがに最近はアウトガスの危険性は浸透してますので一昔前の施設がほとんどですが。)
施工業者様も最近ではこの知識をつけられてますし、フィルムメーカーの方もカタログ等の資料上では「ガラス以外への使用を禁ずる。」等の記載はされてます。
PETやPVCの薄物には加工できるので、ヒアリングをしっかりして受託加工にも対応できるように心がけております。
割としっかり書き込んだので今後同様の質問があればこの記事をお見せして対応しようっと♪
本日もお付き合いいただき有難うございました。(。_。)ペコッ
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by numax0915
| 2014-07-14 17:59
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